USB充電器のまとめを書いたら気分がよかったのでモバイルバッテリーもまとめることにします。
- いい感じのモバイルバッテリーに惹かれる人
- 大容量化と高出力化
- モバイルバッテリー横並び調査
- その他モバイルバッテリーいろいろ
- 観点別ベストモバイルバッテリー
- 怪しいモバイルバッテリーを避けるために
- まとめ
いい感じのモバイルバッテリーに惹かれる人
前回USB充電器で同じことをやったところですが、今回はモバイルバッテリーです。
始めてモバイルバッテリーの類に触れたのはドコモ純正のモバイルバッテリーでした。たぶんこれが2007年くらい。このFOMAの出力端子が懐かしいですね。
当時はこれがどういうスペックのものだったか理解していなかったですが、見てみると「1800mAh」「5.4V/0.4A」っていうモバイルバッテリーみたいですね。今思えばこれで事足りてたなんてなんという省エネ機器...。
そしてこういうところから、ガラケーからスマホに移行し、それとともにモバイルバッテリーをヘビーユースするようになり、身近で手放せないアイテムになっていきます。
大容量化と高出力化
USB充電器のほうではGaNによる小型化と高出力化がポイントでしたが、モバイルバッテリーでは小型化というより大容量化がポイントになっていきます。スマホ自体の消費電力も上がっていってますからね。
またこちらでも同じくUSB PDによる高出力化は第二優先くらいのポイントになっていますが、スマホはPCと違って低出力でもとりあえず充電はできてしまうのでそこまで強い需要にはなってないですね。
(もちろん、ノートPC給電を謳うモバイルバッテリーもあるのでその辺では重要なポイントになる)
というわけでモバイルバッテリーでは
- 容量
- 給電能力
- ポート数
- サイズ&重さ
の観点でいろいろ見ていきましょう。
モバイルバッテリー横並び調査
モバイルバッテリーを比較する上では、とりわけ容量が差別化要因の最たるものですので、ここで区切りながらいくつかのクラスでみていきましょう。
5000mAh以下部門
ではまずは最も小さいクラスにあたる5000mAh未満から。といっても3000mAhとかはないので、実質5000mAh一択ですね。
MOTTERU MOT-MB5001-ECGY
まずは一番ベーシックなタイプから。今回紹介するモバイルバッテリーの中では唯一の100g切り。なので持ってみると違和感感じるほどに軽いはず。
- 容量:5000mAh
- 給電能力:20W
- ポート数:1
- サイズ:78.0mm×39.0mm×25.0mm
- 重さ:98g
- 参考価格:3,280円
Anker Nano Power Bank (22.5W, Built-In USB-C Connector)
サイズ感は先ほどのものとほぼ同じですが、ビルトインのType-Cコネクタが内蔵されているのがポイント。その分重くなっているとも言えますが、これも十分軽いです。
- 容量:5000mAh
- 給電能力:22.5W
- ポート数:2
- サイズ:77.0mm×37.0mm×25.0mm
- 重さ:102g
- 参考価格:3,490円
本体に直接コネクタがついているので、ケーブルでぶらぶらさせることなく直接スマホ本体に挿して充電することができます。満充電するのは難しいかもしれませんが、1日持たせられれば十分という普段用途ではこれで十分でしょう。
エレコム DE-C26-5000BK
紹介する5000mAhバッテリーの中では今回最安です。Type-C端子がついているとはいえ、さすがにちょっと古さを感じますね。
- 容量:5000mAh
- 給電能力:15W
- ポート数:2
- サイズ:110.0mm×65.0mm×15.0mm
- 重さ:115g
- 参考価格:2,055円
一応リニューアルしてこういうやつがありますが、MOTTERUの下位互換って感じなので値段以外で選ぶ理由はないでしょう。
Anker 511 Power Bank 30W
こちらはコンセント一体型のモバイルバッテリー。5000mAhクラスで30W出るのはいまのところこいつくらいです。
- 容量:5000mAh
- 給電能力:30W
- ポート数:1
- サイズ:78.0mm×44.0mm×31.0mm
- 重さ:185g
- 参考価格:5,490円
しかし高い。
Anker 521 Power Bank 45W
最後にもっと高いこいつ。モバイルバッテリーとして使うと20W出力ですが、コンセントからのパススルーで使うと45W出ます。なのでノートPC充電器と兼ねるみたいな使い方ができるのがウリ。
- 容量:5000mAh
- 給電能力:20W(AC利用時は45W)
- ポート数:2
- サイズ:71.0mm×60.0mm×31.0mm
- 重さ:200g
- 参考価格:8,990円
しかし高い。(1製品ぶり2回目)
これを買うくらいならもう1ランク上の製品を選びますかねさすがに。
10000mAh以下部門
続いて10000mAhのあたり。ここもやはり7000mAhとかがあるわけではないので、実質10000mAhの戦いです。最近のスマホだと5000mAhは物足りないので、なんだかんだ10000mAhが一番使い勝手いいでしょう。
Anker PowerCore Slim 10000
ではまずは一番安いやつから。Ankerの少し古いモデルです。
- 容量:10000mAh
- 給電能力:12W
- ポート数:1
- サイズ:149.0mm×68.0mm×14.0mm
- 重さ:236g
- 参考価格:2,990円
見た感じ3ポートに見えますがmicroBとType-C端子は入力専用で、出力は結局Type-A端子しか使えません。microB→Type-Cの過渡期ならではですが、今となっては謎仕様。
Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W
現行だとこのあたりがまともに使えるやつです。個人的にイチオシ。
- 容量:10000mAh
- 給電能力:25W
- ポート数:2
- サイズ:107.0mm×52.0mm×27.0mm
- 重さ:194g
- 参考価格:3,990円
10000mAhクラスとして十分に小さいサイズでありながら、25Wというなかなかの出力ができ、価格もそれなりに抑えられているので非常にバランスのいいモデルです。
MOTTERU MOT-MB10001-BK
そして出力を抑えてそれよりもさらにコンパクトなのがこちら。見た感じ大きく見えますが、最初に紹介した5000mAhをちょうど2個並べたくらいのサイズ感。
- 容量:10000mAh
- 給電能力:18W
- ポート数:2
- サイズ:78.0mm×58.0mm×25.0mm
- 重さ:174g
- 参考価格:3,990円
CIO SMARTCOBY DUO 20W
今回紹介するモバイルバッテリーの中では最新にあたる、CIOの10000mAhモデル。2024年にリニューアルし、よりコンパクトになりました。
- 容量:10000mAh
- 給電能力:20W
- ポート数:2
- サイズ:92.0mm×50.4mm×24.5mm
- 重さ:192g
- 参考価格:3,938円
まあこれは確実に売れますね(確信)
CIO SMARTCOBY Pro 30W
先ほどのSMARTCOBYの上位モデルにあたるSMARTCOBY Pro。出力が30Wに上がっており、Macbook Airくらいなら充電できますというのがウリ。
- 容量:10000mAh
- 給電能力:30W
- ポート数:2
- サイズ:77.0mm×56.0mm×26.0mm
- 重さ:178g
- 参考価格:5,038円
まだまだ十分コンパクトに仕上がっていますが、スペックが上な分値段が上がってますね。
Anker Nano Power Bank 30W (Built-In USB Type-C Cable)
最近にわかに流行っているケーブル内蔵型モバイルバッテリー。まあ便利なんでしょうけど、ここのケーブル壊れたときの悲しみがすごいのであまり信用してないです...。
- 容量:10000mAh
- 給電能力:30W
- ポート数:2+1
- サイズ:104.0mm×52.0mm×26.0mm
- 重さ:215g
- 参考価格:6,490円
ケーブル内蔵型を信用していないということに加え、とにかく高いんですよねこれ。最近のAnkerはどれを見てもほんと高いので心が離れ気味。
10000mAh超部門
では最後は10000mAh以上のクラスです。スマホの充電用途だと10000mAhで十分なので、ここまでくるとタブレットやノートPCなども視野に入れる想定になるでしょう。
Anker PowerCore 20100
例によってAnkerの少し古いモデルから。でもサイズあたりの容量は割とトップクラスです。
- 容量:20100mAh
- 給電能力:24W
- ポート数:2
- サイズ:166.0mm×58.0mm×22.0mm
- 重さ:356g
- 参考価格:5,390円
MOTTERU MOT-MB20001-BK
そして最近のまともなやつとしてこのあたり。今度は10000mAhのやつを縦に2個並べたようなサイズになってます。しかし出力も60Wに強化されているのでノートPCの充電まで大体こなせます。
- 容量:20000mAh
- 給電能力:60W
- ポート数:2
- サイズ:150.0mm×58.0mm×25.0mm
- 重さ:350g
- 参考価格:7,990円
エレコム EC-C07BK
こちらが20000mAhのモバイルバッテリーでは最安クラスです。
- 容量:20000mAh
- 給電能力:20W
- ポート数:2
- サイズ:150.0mm×75.0mm×27.6mm
- 重さ:435g
- 参考価格:4,280円
しかし例によって古いので容量の割にでかかったり出力が弱かったりというトレードオフですね。
Anker 737 Power Bank 24000mAh
あとはぶっとび高級機を紹介しておくと、Ankerの140W出力可能なやつがあります。140WをACなして必要とするシチュエーションってなんなんでしょうね。
- 容量:24000mAh
- 給電能力:140W
- ポート数:3
- サイズ:156.0mm×55.0mm×49.0mm
- 重さ:632g
- 参考価格:19,990円
しかし高い。とても高い。(N製品ぶり3回目)
CIO SMARTCOBY TRIO 67W
最後に、まだ未発売なんですがCIOの新しいモバイルバッテリーがとてもよさそうなので紹介しておきます。
- 容量:20000mAh
- 給電能力:67W
- ポート数:3
- サイズ:95.0mm×69.0mm×29.5mm
- 重さ:333g
- 参考価格:8,980円
20000mAhでほかに最長辺10cmを切っているものはないコンパクトさでありながら、67Wの高出力を実現しており、これも相当売れるでしょう(確信)
その他モバイルバッテリーいろいろ
その他、メインストリームな感じじゃないですけど目にすることのあるモバイルバッテリーたちを少々。
コンセント付モバイルバッテリー
ここまでくるともはやモバイルでもなんでもないのでは...という気もしますがACコンセント付きのものもあります。ただType-C PDが規格上240Wまで出せるようになってきたので相対的に需要はなくなっていきそうです。
大型のものは主にポータブル電源と呼ばれ、スマホやPCを充電するだけでなく、災害時の非常用電源としての側面が強くなっていきます。
Anker PowerHouse 90 / 87.6Wh
Ankerのコンセント付タイプはPowerHouseというシリーズですが、そのうち最も小さいやつです。お値段控えめ、とはいえ2万円もします。
サンワサプライ 700-BTL025N
サンワサプライのコンセント付モバイルバッテリー。でも古いのと容量が小さすぎるのでもはや産業廃棄物。
EcoFlow RIVER 2 256Wh
こうしたポータブル電源だとAnkerのほかEcoFlowとJackeryが有名です。
Jackery 300 Plus 288Wh
EcoFlowもそうですが、よくあるリチウムイオン電池ではなくリン酸鉄リチウムイオン電池を採用しているのが特徴です。
災害用電源として利用する場合、日常的に放充電することなく長い間保管しておくような用途になるので、自然放電しにくいリン酸鉄リチウムイオン電池が用途に合うって話になります。
Anker PowerHouse 434Wh
そしてこれがもう少し大きいタイプのPowerHouse。
コンセント付のモバイル電源って意味だと最低限3-4万円から始まり、あとは容量に応じて10万でも20万でも製品があるのが恐ろしいところ。モバイル電源沼。
怪しいモバイルバッテリー
今回はAnkerやCIOなど、ある程度名が知れて品質に安心感があるメーカーだけを選んで紹介していましたが、Amazonなんかで探すと名も知らぬモバイルバッテリーが山ほど見つかります。スペック詐欺みたいなものも散見されるので、そういう怪しいやつを紹介していきたいと思います。
Rocwoy モバイルバッテリー 10000mAh
一番よくみるタイプの怪しい10000mAh。サイズの割に容量が大きいものの、まあまだあり得るレベル。とにかく安い。
- 容量:10000mAh
- 給電能力:12W
- ポート数:2
- サイズ:82.0mm×82.0mm×15.0mm
- 重さ:160g
- 参考価格:2,699円
MOTTARI モバイルバッテリー 20000mAh
これはもう限りなく怪しいですね。サイズに対する容量がかなりでかいです。これまで紹介したまともなメーカーよりも2割ほどサイズ対容量が優れているように見えます。
高いものではないし買って容量計測してみる...かと思いつつ金をドブには捨てたくない...笑
- 容量:20000mAh
- 給電能力:12W
- ポート数:2
- サイズ:83.0mm×83.0mm×25.0mm
- 重さ:199g
- 参考価格:2,990円
レビュー見てると作りが雑でType-AポートにUSB端子がちゃんとささらないなど、怪しさ満点です。
zepan モバイルバッテリー 15000mAh
スペック的にはあり得そうな気がするものの、いかんせん怪しい。
- 容量:15000mAh
- 給電能力:18W
- ポート数:2+2
- サイズ:86.0mm×86.0mm×33.0mm
- 重さ:318g
- 参考価格:4,980円
zepan モバイルバッテリー 5000mAh
先ほどと同じメーカーの小型版。価格含めても割とあり得そうに見える。
- 容量:5000mAh
- 給電能力:22.5W
- ポート数:1+1
- サイズ:106.0mm×37.5mm×31.5mm
- 重さ:202g
- 参考価格:4,380円
でもレビュー見てると「熱が気になる」みたいなのが多く、怪しいメーカーで熱の話があると火事と隣り合わせなのでやはり敬遠したいところ。
観点別ベストモバイルバッテリー
あとはせっかく色々な観点で調べたのでそこでのランキングを。
容積あたり容量:MOTTERU モバイルバッテリー 20000mAh
まずは容積あたりの容量ではこちらのMOTTERU 20000mAhがトップでした。5000mAhのやつが唯一100g切りだと書いた通り、その4倍モデルであるこいつも相当なコンパクトさであることがわかります。
重さあたり容量:Anker Power Bank (20000mAh, 22.5W, Built-In USB-C ケーブル)
続いて容積と似たようなものですが、重さあたりの容量。こちらは僅差ですがAnkerの20000mAhがトップ。こいつが345gに対してMOTTERUも350gなのでほぼ同等です。
MOTTERUのほうは60W出力できるのが特徴、こっちは22.5W出力ながらケーブル内蔵しているのが特徴ってところですね。
価格あたり容量:エレコム モバイルバッテリー 20000mAh
最後は単純な安さです。これまでの2つに比べれば一回り大きく一回り重い、って感じですね。まあ価格バランスとしてはいいトレードオフに思えます。
番外:CIO SMARTCOBY TRIO 67W 20000mAh
まだ発売されていないので除外しましたが、こちらのSMARTCOBY TRIO 67Wを入れてしまうと容量/重さあたりのところで二冠になります。333gとして軽いながらも67W出力を実現したバカ売れ間違いなしモデル。(さすがにちょっと高い)
怪しいモバイルバッテリーを避けるために
最後にちょうどそんな話をしましたが、火事にも直結しかねない怪しいモバイルバッテリーを避けるためには出来るだけ実績あるメーカーを選んだほうがいいというのはありますが、それ以外にもこんな観点があるよという紹介です。
PSEマークの表示
当たり前の話ですが、通常モバイルバッテリーを真っ当に販売するにはPSEマークの表示が必要です。2019年からPSEマークのないモバイルバッテリーが違法になってます。
スーパー怪しいやつはこういうのすらなかったりするので、PSEマークが見当たらなかったら一目散に逃げましょう。(さすがにそのレベルのものは稀だと思いますが...)
JBRC加盟企業
モバイルバッテリーって、真面目に考えると結構捨てにくいアイテムだったりするんですが、その回収やリサイクルをする団体としてJBRC(Japan Portable Rechargeable Battery Recycling Center)があり、JBRC加盟企業のバッテリーであれば色々なところで回収できるようになっています。
今回いくつか紹介していたCIOは実は少し前までJBRC未加盟だったのでちょっとなと思っていたんですが、めでたく加盟企業になったので安心して買うことができるようになりました。
まとめ
思いの外長くなったと書いたUSB充電器の回よりもさらに長くなりましたが、定量的なところ含めて色々調べることができました。ちまちまExcel表で比較してたので、今後新しいやつが出てきても大丈夫そう。
それにしてもCIOのあの新作にとても期待がもてる。
お読みいただきありがとうございました!
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