たくなくの雑記帳

思ったことを書き留める雑記帳

闇に舞い降りた天才 モモギ:第2話「取引」

怪文書その②、続きです。

第2話「取引」

南郷「坊主・・・・」
南郷「お前一体何をやらかしたんだ・・・?」
南郷「こんな雨降りの夜・・・」
南郷「ズブ濡れでほっつき歩いて・・・」
南郷「知りもしねぇ民家にまぎれ込む・・・」

南郷「しかも濡れた原因は雨だけじゃねぇ・・・」
南郷「このシャツに付着した塩分や匂い・・・」
南郷「つまり汗だ・・・」
南郷「こんな深夜に運動会かい・・・?」

南郷「わかるよ・・・話したくなんかないことだろ」
南郷「たぶんおまえは・・・ここに来る前・・・」

南郷「死線を越えてきた・・・!」

モモギ「・・・・・」

南郷「わかるんだ・・・」
南郷「オレもいま死線をさまよってるから・・・」
南郷「そんな気配がさ・・・」

南郷「今夜勝たなきゃオレは奴らに殺されちまうんだからな・・・」

南郷「頼む・・・・・・」

南郷「オレの代りに次のゲーム入ってくれねぇか・・・?」
南郷「わかっている・・・」
南郷「アンタは桃鉄などしらない・・・」

南郷「しかし・・・それでいいんだ・・・」

南郷「生半可な技術はムダなだけじゃなく逆に奴らのいいえじきだ・・・」
南郷「全く知らないくらいがいい・・・」

南郷「・・・・・」
南郷「これはオレのカンなんだが」
南郷「感じるんだ、あんたから・・・」
南郷「勝負をするものに不可欠な熱とツキと気―」

南郷「あんたなら」
南郷「死線を越えられる・・・!」

 

のちに―
裏の桃鉄界を震撼せしめる桃木しげる・・・

これがそのはじまり
初めての桃鉄

 

竜崎「・・・・」

桃木しげる13歳―
この時桃木はコントローラを握る5分前に
南郷から桃鉄のルールを簡単に説明されただけで
戦略などいっさい知らない・・・

ど素人以前の状態だったという―

 

実戦の中で桃木は少しずつ桃鉄を把握していく
桃鉄とは2人から4人までの複数人で行うボードゲーム

日本列島をボードに見立て、その時毎に指定された目的地を
目指しながら総資産を競うゲームであること―

なるべく早く目的地に着くことが得策
物件を購入すると持っているだけで毎年一定額の収益が得られる重要な要素

 

桃太郎「竜崎社長さんが目的地の鹿児島に一番乗りでーーーーす!」

 

目的地を目指すにはサイコロの出目を利用する方法と、多種多様なカードの
効果を利用する方法があること

 

結局1年目モモギの桃鉄は総資産7200万円
ビリにはならないが目的地にも入っていない・・・平凡な内容

のちに天才といわれるその才気の片鱗はまだみえない

 

事が起きたのは3年目7月―

南郷「きたっ・・・!」
南郷「売値が高額なダイヤモンドカード・・・!」
南郷「勝負手っ・・・!」

その次の月
カード売り場「新居浜

しかしモモギ、カードの売却に興味なし―

南郷「」ガク・・
南郷「・・・・・」
南郷「ダメだ・・・!」

南郷「こいつはなんでもかんでも大事にしすぎる」
南郷「たしかに初心者がカードを売りまくるのは感心しねぇが・・・」
南郷「しかしあのカードはある程度売っていかなきゃ・・・勝負手だよ・・・!」
南郷「仮にダイヤモンドカードというカードを知らなくても」
南郷「売ったら高額になりそう、そんなことくらいわかりそうなもんだ・・・」
南郷「それも感じないようじゃこいつはセンスがない・・・!」

南郷「こんなガキに全てを託すなんてオレもどうかしてたぜ・・・・!」

南郷「次のゲームからはやっぱりオレが・・・」

 

竜崎「し・・・!」

 

南郷「え?」

竜崎「誰かが階段を登ってくる・・・」

コツ・・・コツ・・・

ざわ・・・ざわ・・・

黒服「いったい・・・」
黒服「誰だ・・・?こんな夜中に・・・!」

 

コン・・・コン・・・

???「・・・・」

 

竜崎「いけっ・・・」
黒服「はっ」

黒服「・・・どなたですか?」

???「警察の者です」

黒服「なんだい?こんな夜中に・・・」

???「すいません」
???「実は昨晩ちょっとした事件がありまして」
???「不良グループどうしの抗争事件です」

 

???「・・・オナラマン危機一髪ゲームていうんですか・・・?」
???「たぶん鹿児島かどっかの祭りであったんでしょ」
???「対戦者同士がサツマイモを食い続け、先にオナラをしたほうが負けという」

???「命知らずを競うゲーム・・・!」

 

???「そいつをやらかした・・・」
???「結果ガマンをしすぎ、2人ともひどい下痢に・・・」
???「1人は重症で病院に担ぎ込まれ・・・」
???「もう1人は海に落ちてから体を洗って逃げたというんです」

 

???「まったく・・・」
???「悪運が強いというかなんというか」
???「そのガキがどうもこの界隈に逃げ込んだという情報があり」
???「こちらでその心当たりはないか・・・と思いまして」

 

ざわ・・・ざわ・・・

 

竜崎「・・・・」
竜崎「面倒なことを・・・・・」

竜崎「オナラマン危機一髪ゲームの生き残りか・・・」
竜崎「どうりで肚の座ったガキだと思ったよ・・・」

黒服「どうします・・・?」
竜崎「追い払えっ・・・!」
竜崎「サツに今・・・顔を見られるとこっちも面倒なんだ・・・」
竜崎「ちっ・・・!」

ざわ・・・ざわ・・・

モモギ「南郷さん・・・」
モモギ「取引しませんか・・・?」

南郷「え・・・?」

モモギ「サツもなにかネタがあってここを嗅ぎつけたんだから・・・」
モモギ「たぶん引き下がらない・・・」
モモギ「ものの1分もしないうちに入ってくる・・・」

モモギ「その時オレと口ウラを合わせて」
モモギ「オレのアリバイと身元を保証してくれればいい・・・」

南郷「このガキ・・・!」
南郷「あきれたことを・・・」
南郷「なんでオレがそこまで・・・・」

南郷「いい加減にしろっ!」
南郷「だいいち取引っていうのは『物』を持っているものどうしで初めて成立すること!」
南郷「素寒貧にその資格はねえっ!」

モモギ「フフ・・・」
モモギ「『物』はある・・・」

南郷「?」

 

ダイヤモンドカード   1億7200万円

 

南郷「!!!」
南郷「バカな・・・」
南郷「今さっき見た時・・・たしかあいつは売らずにターンを終えたはず・・・」

南郷「!」ハッ
南郷「リセットしやがったんだ・・・!」

南郷「みんながさっきドアの方に気を取られてるスキに・・・」
南郷「7月からやり直した・・・!」

南郷「警察がせまってきて一番ハラハラすべき当の本人がそんな真似を」
南郷「このガキ・・・!」

南郷「常人の神経じゃねえ・・・」
南郷「切れてやがる・・・」

 

糸冬

 

続き

残念ながらファイルはここで途切れていました。2014年11月18日。

多分オナラマン危機一髪ゲームをチョイスして満足したのか、この2話分を書いて力尽きていました。

モモトラマンカードの名前が出るあたり、時代を感じますね。

このアイデアに興味を持たれた方はぜひ続きを書いてみてください。

 

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