以前こんな記事を書きました。楽しかったですね。
この後に、フォントを提供している会社であるFontWorksがGoogle Fontsにフォントを無償提供するというニュースがありました。
これを受けてフォントが増えていましたので、増えた分でまた遊んでいきたいと思います。
目次(長いので折りたたみ)
増えたフォント
では早速増えたフォントをみてみましょう。
前回記事では11種類の日本語フォントがありましたが、2021年4月2日時点では21種類に増えています。10種類増えたというわけですね。
ゴシック系
まず、(ふつうの)ゴシック系で見ると、
- Kiwi Maru
の1種類です。一応他にゴシックを名乗るものはありましたが、特徴的だったのでその他枠にします。
明朝系
次に、明朝は2種類増えています。
- Shippori Mincho
- Shippori Mincho B1
いずれもしっぽり明朝で、落ち着きがありつつ味のある明朝となっています。無印とB1の違いですが、線の交差部分などでわずかに墨が多くなる「墨だまり」の有無だそうです。
パッと見て違いがないように思うかもしれませんが、線の交差部分をよく見てみると墨だまりが確認できると思います。
ぼんやりと全体を見直すと、B1は全体的にやわらかく、無印は全体的にシャープに見えるのではないでしょうか。
その他
あとはその他が7種類、ほとんどですね。クセモノ揃いです。
- New Tegomin
- Dela Gothic One
- Train One
- Raggae One
- RocknRoll One
- DotGothic16
- Stick
どれも言葉では説明しがたいのでさっさと実例を見てみましょう。
サンプル比較
それでは共通の例文を用いて比較してみます。例文は前回と同じ山月記のこちら。
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
では順にいきましょう。
ゴシック系
見出しを分けてますがKiwi Maruしかありません。
Kiwi Maru
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
いわゆる丸ゴシックということでやわらかな見た目になっています。教科書体に近い感じもしますね。
明朝系
こちらは2種類...ですが、どちらも同系統なので実質1種類とも言えます。
Shippori Mincho
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
前述の通りですが、こちらは墨だまりなしの無印。
Shippori Mincho B1
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
こちらは墨だまりありのB1。
このサイズではちょっとわかりづらいですね。言われてみれば無印がシャープで、B1がやわらかなような...とかそれくらいです。
どちらも落ち着いたいい明朝体ですね。
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
ここでひとつ同じ明朝体であるNoto Serif JPと並べてみますが、線がクッキリしていて、全体的に大きく見えることを思えば、Shippori Minchoは確かに名前の通り "しっぽりさ" が味わえるフォントだと言えます。
その他
さてここから個性派です。
New Tegomin
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
なんというかホラー感。
Dela Gothic One
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
...。
ノーコメントで。
Train One
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
文字の一画一画がレールのように2本の線で表現されていますが、適用外フォントがあるとバレバレのバレバレですね。
視認性もあまりよくないので、使いどころは十分に吟味すべきでしょう。
Raggae One
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
なかなか面白げのあるフォントです。
こちらは、あのこち亀においてもお馴染みのフォントなので、
両津の大バカ者はどこだ!どこにいる!!
なんてするとかなり見覚えのある感じになります。
RocknRoll One
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
太いのは太いですが、名前の割に意外と落ち着いた印象があります。
DotGothic16
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
ドット文字ですね。こちらも例えばこんな風にして...
ポケット モンスターの せかいへ ようこそ!
なんてすると懐かしい記憶が蘇ってきます。
Stick
一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。
これもこのサイズだと分かりづらいですが、一画一画が棒きれでできているので、よくよく眺めてみるとなかなか味があります。
おわり
今回も単にサンプル文で比較しただけですが、フォントを変えるだけでもずいぶんと印象が変わりますね。
ブログなんかのサイト単位で抜本的にフォントを変えることはほとんどないと思いますが、プレゼン資料の一部だったり、あるいはポスターの見出しだったり、そういうスポットでの活用は十分考えられるので、こういった "フォント感" は身につけておいて損はないものだと思います。
(損はしないがコスパに優れるとは言っていない)
ではまた。きっとこれからも増えていくと思うので第3弾もどっかでやるでしょう。
お読みいただきありがとうございました!
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