日々の移動からお得を引き出すMiles
10月に日本でもサービス開始となったMilesですが、使い始めて1か月ほど経ったので振り返りがてらレビューしてみます。
Milesって?
Milesは2021年10月に日本でもサービス開始となった移動トラッキングサービスです。
スマホアプリをインストールすると、GPSから移動情報を読み取り、移動実績に応じた独自ポイント(マイル)が溜まっていきます。
マイルは名前の通り、1マイル=1.6kmが基準になりますが、徒歩や自転車など環境負荷の低い移動手段では10倍(1.6kmあたり10マイル)貯まります。逆に環境負荷の高い飛行機移動だと0.1倍しか貯まりません。このあたりもなかなか面白いところですね。SDGsっぽさがあります。
そうして貯まったマイルは様々なサービスのクーポンのような形で特典に交換でき、「アプリをインストールして、日々移動しているだけでお得なクーポンが手に入る」というユーザ体験を得ることになります。
これだけ聞くとユーザにいいことばかりでやや不気味ですが、調べてみたらちゃんとした継続性がありそうなビジネスモデルがあったのでそこは安心してよさそうでした。ここはあとで解説します。
1か月レビュー
僕は10月20日にこのアプリが日本でリリースされ、多分翌日くらいから使っているので利用開始からちょうど1か月経ちました。
1か月使ってみて、いくつかの観点でレビューしてみましょう。
どんなメリットがあったか?
まずは端的に、メリットを感じているかどうかというところですが、1か月使った中では
- ここ1か月の獲得マイルは2939マイル
- うち、1000マイルほどが初回キャンペーン等
- 5つの特典を利用(合計1900マイル消費)
- コンビニの商品引き換え(お茶×2、お菓子×1)
- サブスク初回割引クーポン
- 抽選エントリー(ただし落選)
という感じでした。
移動で稼いだのが2000マイルほどで、1日平均100マイルというところです。平日のマイルは会社への通勤によるものがほとんどなので、往復1時間半の電車通勤でそれくらいという感じ。
都市部だと時間の割に距離が出ないので、地方都市で電車通勤してる人とかはそれだけで結構貯まりそう。
実際に交換した特典の一例としてはこんな感じ。
お試しクーポンとしてのお茶の引き換え特典なんかは400マイルくらいのことが多いので、1週間で1お試しくらいの感じでしょうね。なかなかいいレートじゃないでしょうか。
あと、見てわかる通り特典の有効期限は総じて結構長めです。
後述する通り、特典は一定量配布されると提供が終了するようなので、ほしいものがあったら早めに引き換えておくのがよいでしょう。
どんなデメリットがあったか?
続いて気になるデメリットですが、個人的には特になかったです。
何人か広めた人の中では「バッテリー持ちが悪くなった」という話もあり、GPSを常時見てるサービスではあるのでさもありなんという気はしましたが、こればっかりは端末との相性という感じでしょうね。
毎日毎日見ようとすると「全然貯まらないな...」という感じになりますが、1週間に1回くらいならそれなりに増える感覚があるのでちょうどいい使い方かなと思います。
ちょっと注意すべき点
これは勝手な思い込みによるところではあるんですが、
- 特典は数量限定のものが多い
- 同じ特典は何度も引き換えできない
というのは少し注意が必要な点です。
クーポンは数量限定
僕のライフスタイルからいけば、1週間で約500マイル貯まるので、前述したお茶みたいな特典が毎週引き換えられるなーと考えていたんですが、そもそも特典は無尽蔵にあるわけではなく、売り切れの概念があるようです。
おそらく最も汎用性の高い特典であるAmazonギフトカードは人気だからなのか、割と早々に売り切れてしまいます。
なお、特典の中には一定期間で補充されるものもあるので、見たタイミングで売り切れだったとしても後日復活する可能性もあるようです。
同じ特典は1度まで
もう1つの注意点が、同じ特典は1度までしか引き換えられないということです。
これはあとで説明するビジネスモデルに関わってくるので仕方のないことですが、「400マイルで毎週お茶が1本ゲットできる」と(勝手に)思っていたので、そこは残念に思ってしまいました。
とはいえ全ての特典が一度きりなのか確認したわけではないので、ものによっては何度もいけるやつもいけるやつもあるかもしれません。
先ほど売り切れの例に挙げたAmazonギフト券なんかは額面に対してずいぶん割高なマイル設定で、定期的に補充されているようなので、これは何度もいけるのでは?って思ったりします。
Milesのビジネスモデル
あとは個人的に気になったのでMilesのビジネスモデルも調べてみました。
この手の新しいサービスに手を出すにあたって、「何でお金を儲けているのか」を理解するのは怪しいサービスかどうかを見分けるのに大事です。
Milesは移動情報を売って収益を上げている?
ユーザ目線でMilesのサービスを見ると、「移動情報を差し出して特典を得る」という構図に見えるので、僕も当初は「移動情報をビッグデータ化して売っているのでは?」と思っていました。
が、利用規約やプライバシーポリシーを見る限り「第三者に移動情報を提供する」みたいな記載は今のところないため、データ売買で収益を得ているわけではないことがわかります。
3.当社及び当社が提携する第三者(以下「サードパーティー」といいます。)が行う広告・宣伝を含むユーザーにとって最適化されたコンテンツの提供のため
(1) 当社の本サービスの広告・宣伝のため
(2) サードパーティーが提供する商品又は各種サービスの広告・宣伝のため
(3) ユーザーが興味関心を持つ事項に関する広告・宣伝のため
(4) 当社が提供する懸賞、キャンペーン等の実施、商品発送のため
プライバシーポリシー より
では何が収益の源泉なのかと思ってもう少し調べてみると、社長へのインタビュー記事でそれが語られていました。
Milesは「BtoCを繋ぐクーポンサイト」
この記事にある通り、
Milesアプリには、提携企業のクーポンが掲載される。ユーザーは徒歩や公共交通機関を利用してポイントをため、クーポンと交換し、提携企業の店舗やECサイトでの買い物に使う。Milesは送客が成功した時点で提携企業から手数料を得る成功報酬型のビジネスだ。
ポイントは“最初の1歩”を作り出すことにある。決済額に応じてポイントを付与するシステムは、商品やサービスの購入が前提で、何かを買わなければ次の購買のモチベーションになるポイントは発生しない。一方、Milesは日々の移動の中で勝手にポイントがたまり、いつの間にかクーポンが手に入るという仕組みをアプリユーザーに提供することで、提携企業への足掛かりを作るのが目的だ。
という成功報酬型のビジネスモデルをとっているようです。
確かに言われてみれば、ユーザが一方的に金銭メリットを得ているように思いますが、実際には様々な企業の広告プラットフォームとして、そして特典としてその購買を促進するような送客プラットフォームになっていることがわかります。
特にこれは「サブスクの初回クーポン」で顕著で、様々なサービスの初回特典を拡張するような特典が提供されていますが、サブスクサービスは以下にして初回の接点を作るかが大事なので、多少の成功報酬を払ってでも、自らのサービスを認識してもらい、お試し体験を促すことに大きな意味があるというわけです。
だからこそ特典交換は1回だけ
そして次のように続きます。
また、特典の取得回数にもこだわりがある。Milesに掲載されるクーポンなどは、特別な事情が無い限り1つのクーポンにつき1回しか交換できない。何度も同じ特典を取得して同じ店舗に通うよりも、新しい店舗に向かうきっかけを何種類も提供する方が、アプリの思想にマッチしているからだ。
というわけで、まさに僕が「毎週1本お茶が飲める」と思ってしまったように、送客プラットフォームとしては四方八方へユーザ体験を拡散するため、基本的には1回しか特典を交換できないようなサービスデザインとなっているようです。
これはビジネスモデルの根幹にある考え方なので、例え数量限定だったとしても、「1人1回まで」の制約はなかなか外せるものではないなと感じました。
まとめ
2019年に米国でサービス開始となったMilesですが、2021年に初めて海外進出を果たし、日本が2か国目のサービス提供エリアとなりました。
ポイント好きと言われる日本人の国民性にマッチしたのか、早速100万ダウンロードを突破したようで、記念キャンペーンも実施されています。
今のところ、サービス立ち上げ期ということもあり、根本のビジネスモデル以上にお得なサービスレベルになっている気がしますが、今後はどうなっていくのでしょうか。
一昔前はKyashやRevolutで似たような感覚を持っていましたが、なかなか今後が楽しみなサービスです。
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