たくなくの雑記帳

思ったことを書き留める雑記帳

Google Fontsを色々読み込ませて遊ぶ - その4 [2022年1月版]

増えてたことに気づいてしまったので4回目です。これまでのものはこちら。

では順にみていきましょう。

目次(長いので折りたたみ)

増えたフォント

前回試したのが2021年9月23日で、そのときは31種類ありました。本日2022年1月2日現在では、53種類に増えています。これまでは10種類ずつ増えてた感じでしたが、今回は20種類を見ることにします。

ゴシック系

ゴシック系は12種類増えています。とはいえシリーズものっぽいので似通った感じなのかもしれません。

  • Murecho
  • M PLUS 1
  • M PLUS 2
  • M PLUS 1 Code
  • Mochiy Pop One
  • Mochiy Pop P One
  • Shippori Antique
  • Shippori Antique B1
  • Zen Kaku Gothic New
  • Zen Kaku Gothic Antique
  • Zen Maru Gothic
  • Zen Kurenaido

明朝系

続いて明朝系。こちらはYujiシリーズとZenシリーズ。なんだか名前から和な感じが伝わってきます。

  • Yuji Syuku
  • Yuji Boku
  • Yuji Mai
  • Zen Old Mincho
  • Zen Antique
  • Zen Antique Soft

その他系

あとは飛び道具系。今回はどんな飛び道具が炸裂するのでしょうか。

  • Shizuru
  • Rock 3D
  • Yuji Hentaigana Akebono
  • Yuji Hentaigana Akari

 

サンプル比較

例によって山月記の文章をサンプルにします。2022年は寅年ですからサンプルにはピッタリですね🐅

Noto Serif JP

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。 

ではいってみましょう。

ゴシック系

まずはゴシック系からです。このあたりはきっと落ち着いた味わいがあることでしょう。どれどれ。

Murecho
Murecho

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草 の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

まずこのフォントを見て真っ先に思うのは「Murecho」ってなんやねんってところですかね。フォント名は香川県牟礼町に由来しているそうで、そのあたりはGitHubの公式リポジトリにも記載があります。

About Murecho, by Positype
For anyone who knows me, knows I have a deeply-rooted connection to Japan. As a teenager, I was an exchange student to Murecho, a beautiful town in Kagawa Prefecture on Shikoku, the smallest of the four main islands in Japan. 

文章から読み解くと、作者のNeil Summerourさんが交換留学生として牟礼町に住んでいたことがあり、高松市との合併で失われた牟田町の名前を残したかった、ということのようでした。

Oh...ハナから泣かせるフォントエピソードやないか...😭

M PLUS 1 / M PLUS 2
M PLUS 1

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

M PLUS 2

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

こちらはよく似ているのでまとめて紹介します。

M+フォントといえば、その1でもM PLUS 1pを紹介していましたが、現在はこちらのM PLUS 1とM PLUS 2、およびこの後のM PLUS 1 Codeがメインで公開されているようです。

Google の支援をいただいてフォントデザインの見直しをしています。現在、GF Latin Plus 欧文文字セットとかな文字に従来の漢字を組み合わせた、Mplus 1 と Mplus 2、そして Mplus code フォントを暫定的に公開中です。新しい文字デザインは、いまご覧になっているこのフォントでも表示されています。 

M+ FONTS公式サイト より

Google Fontsとしては以前のフォントも引き続き参照・利用できるようですが、よりデザイン的に洗練された位置づけだとは思いますので、こちらを使うのがよさそうです。

ちなみに、M PLUS 1とM PLUS 2で何が違うのかと言われると、公式リポジトリでは

(Mplus 1)
ゆったりした曲線と直線を組み合わせた特徴的なデザインは、小さな本文表示から大きな見出し表示まで読みやすく、文章を明るくモダンでやさしい印象にします。

(Mplus 2)
ちょっとだけクラシックな雰囲気を残したデザインは、モダンになりすぎず、かといって従来的なデザインとも異なる、新たなスタンダード書体を目標として制作しました。

と表現されていました。

M PLUS 1 Code
M PLUS 1 Code

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の 虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

そしてこちらはプログラミング用途を想定して作られたM PLUS 1 Code。

プログラミング用途ということで等幅フォントになっているので、カタカタ書いていっても変なズレが起こることなく使いやすそうなフォントです。

Mochiy Pop One / Mochiy Pop P One
Mochiy Pop One

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

Mochiy Pop P One

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

次もMochiy Popシリーズなのでまとめます。

以前もM PLUS 1pのところで紹介した通り、フォントでいう「p」はプロポーショナルフォントのことを示しますが、この2フォントはその違いで分かれていますね。

Mochiy Pop Oneのほうはじっと見ているとグリッド線が見えてきそうな等幅っぷりですが、Mochiy Pop P Oneのほうはかなりダイナミックに詰められているので、1行の文字数からそれなりに違いが出ています。

落ち着いて読む分にはMochiy Pop Oneがいいかもしれませんが、情報量って意味だとやや薄く感じるかもしれないのでその場合はP版を使うのがよさそうです。
(といってもポップ体に対して情報量を求めるんかいなというのはありますが...)

Shippori Antique / Shippori Antique B1
Shippori Antique

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

Shippori Antique B1

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、 一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

次もShippori Antiqueシリーズでまとめます。読みは「しっぽりアンチック」、いわゆるマンガフォントです。

こちらもしっぽりアンチックの無印と墨だまり表現のあるB1のバリエーションですが、このサイズだと少しわかりづらいですね。

f:id:valuask7:20220102211030p:plain

しっぽりアンチック(FONTDASU) より
Zen Kaku Gothic New / Zen Kaku Gothic Antique
Zen Kaku Gothic New

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、 一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

Zen Kaku Gothic Antique

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

続いてZen角ゴシックシリーズ。こうやって並べるとアンチック体のほうがひらがなをより大きく作っていることがわかりますね。

Zen Maru Gothic
Zen Maru Gothic

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹 の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

同じくZenシリーズですがこちらは丸ゴシック。これは大分好き。

Zen Kurenaido
Zen Kurenaido

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の 虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

こちらもZenシリーズではあるものの、「手書き風味」というのがコンセプトのようです。

2004年8月9日リリース。「手書き風味」といういコンセプトに基づいて作られた新しい書体。従来の楷書体に見られるような「筆」という風貌を剥ぎとり、骨格だけという容姿に変えた今までにないシンプルで新しい試み。ボールペンで書いたような手書風味が暖かみを伝える新しい書体となった。

紅道(A-1 Corp.) より

確かに言われてみれば手書きのボールペンっぽい感じですね。こういう字で文通してたら好きになっちゃいそう。

明朝系

ここからは明朝です。格式高くいきましょう。

Yuji Syuku / Yuji Boku / Yuji Mai
Yuji Syuku

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

Yuji Boku

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が 草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

Yuji Mai

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

このYujiシリーズは、砧書体制作所が「佑字」フォントとしてリリースしていたものです。それぞれ日本語では、

  • 佑字 粛
  • 佑字 墨
  • 佑字 舞

と書くようです。

粛は正統派の楷書体といった感じで存在感がありますが、墨や舞は流れるような線形で自由なひらがなが特徴的です。漢字部分は佑字シリーズで共通しているようなので、ひらがなの部分で各フォントの特徴が出ますね。

一見バランス悪そうに見つつも、舞の感じはなんかいい感じです(ボキャ貧)

Zen Old Mincho / Zen Antique / Zen Antique Soft
Zen Old Mincho

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

Zen Antique

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎 が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

Zen Antique Soft

一行が丘の上についた時、彼等は、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、又、元の叢に躍り入って、再びその姿を見なかった。

こちらはZenシリーズの明朝体。ゴシック体でもそうでしたが、Zenは特にひらがなが美しいですね。曲線部分を大きく、直線部分を短くすることで丸みの印象深いデザインになっています。

その他系

ここからはその他の飛び道具系。基本ひらがなとアルファベットくらいなのでこちらはパングラムの例文で見てみましょう。

Shizuru
Shizuru

The quick brown fox jumps over the lazy dog.

いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす

こちらはひらがな専用ですね。どういう感じで使うといいんでしょう。

Rock 3D
Rock 3D

The quick brown fox jumps over the lazy dog.

いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす

こちらもひらがなフォント。これが3次元Rock...、なのか?

Yuji Hentaigana Akebono / Yuji Hentaigana Akari
Yuji Hentaigana Akebono

The quick brown fox jumps over the lazy dog.

いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす

Yuji Hentaigana Akari

The quick brown fox jumps over the lazy dog.

いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす

こちらは変体仮名、つまり漢字から現在の平仮名が生まれる中間くらいにあった文字です。一応アルファベットも含まれていますが大文字オンリーの謎の雰囲気です。

Akari(灯)のほうはまだなんとなく読めますが、Akebono(曙)はなかなかつらいものがありますね。答え合わせ用に佑字 粛のものも置いておきます。

Yuji Syuku

The quick brown fox jumps over the lazy dog.

いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす

もはや読める!読めるぞ...!感が出ちゃう。読めるって素晴らしい。しかし気づきませんでしたが、粛にはアルファベットが含まれてなかったんですね。

 

おわり

これまでは1回10個ずつくらいでやってましたが今回は20個と少し多かったです。
とはいえ、シリーズでまとめて追加されたものも多かったので、やってみた感じとしてはそこまで多い印象もない気がしました。

あと、各フォントを調べている中でこんな素晴らしいまとめを発見しましたが、Google FontsやAdobe Fontsを中心に、色々なWebフォントが公開されていっているんですねぇ。

ブログを書くにあたっては表示スピードをどうしても気にしちゃうので、OS標準の游ゴシックなんかに頼ってしまいがちですが、こうして色々選択肢が出てくるともうちょっと考えてみてもいいのかなーなんて思ったりもします。

ではまた、新しいフォントが追加されたらお会いしましょう。

 

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