音のない世界で音を聴く【後編】(製品レビュー)
さて前編から日が経ってしまいましたが後編です。製品レビューです。
熟慮に熟慮を重ねて衝動的に購入にたどり着いたWH-1000XM4ですが、果たしてその性能やいかに...🙄
開封の儀
それでは、実物をみてみましょう。
パッケージの中にケースと、その中に本体が入っているので開けてみます。パカッ。
イヤーパッド部分がクネっと降り曲がる作りなので、かなりぴったり収まっています。
ケーブルが入っていますが、基本はワイヤレスヘッドホンなので使うことはほぼないでしょうね。ワイヤレスがNGな飛行機の中で使う場合などに付属している感じです。
ケースから出してみるとこんな感じ。
ロゴやケースのファスナー部分にレッドゴールドがあしらわれていてなかなかの高級感があります。WH-1000XM2ではグレー系でしたが、WH-1000XM3からこの感じになっているようです。
ロゴ色の違いはこれを見るとわかりやすいですね。
引用:ソニーのワイヤレスNCヘッドホン「WH-1000XM3」レビュー - 第3世代に突入の人気モデルを新旧対決!(マイナビニュース)
他にも表面の仕上がりがマットな感じになり、落ち着きと高級感を意識した佇まいになっています。
では聞いてみよう
それでは実際に使ってみよう...ゴクリ。
先にスマホとペアリングして...さて装着。スチャ。
...。
?!
音が...聞こえない...。
そもそもうるさいという部屋ではないんですが、PCのファン音だとか、隣の部屋の換気扇の音だとか、完全な無音ではない環境にいました。
それが、こいつをつけた途端、そういった持続的なノイズがきれいサッパリ消え失せました...。
いや、マジすげェわ。
原理的に外音を取り込んで、それを計算して打ち消すわけなのでなんか違和感ある消え方なんではないかと思ってたんですが、これはほんとにスッと消える感じ、というよりは 最初から何もなかったかのようにノイズがいなくなる という感じでした。
こいつぁたまげたぜ...。
アダプティブサウンドコントロール
しかしここまでノイズキャンセリングがすごいと、外で使っているとき危ないんじゃないの...?と思ったそこのアナタ、大丈夫です。ソニーなら、大丈夫。
アダプティブサウンドコントロール機能を有効化しておくと、移動状態などを検知して、ノイズキャンセリング強度などをシーンごとで自動的に切り替えてくれます。
止まっているときはノイキャンMAX、歩いているときはそこそこ、電車などではアナウンスに注意する観点でボイスフォーカスをONにしたモードにする、など。よくできてますね~。
ちゃんと聴いてみよう
いやもうすっかりノイキャンのすごさに圧倒されてますが、ちゃんとヘッドホンとして聴いてみます。
ふーむ、ふむふむ。ほうほうほうほう...。
- 定位はしっかりしてる
- 低音はふんわり強め
- 中高音は普通
- 高音は控えめ
という、よくも悪くもソニーの2-3万円ヘッドホンって感じでした。
ドンシャリとは言いませんが、音像がそこまでシャープになりきらないのはソニーらしいところです。
音質そのものはやはりメーカーレベルで人の好みがありそうなところ🙄
個人的にもうちょっとボーカルの中高音がほしかったので、イコライザーで少し調整したところなかなかいい感じになりました。
感覚的に気に入っているのはこのしっかりした定位感ですね。ちゃんとステレオ収録されているものが左右にはっきり聞こえるので、楽器の位置関係がわかって面白いです。
DSEE Extreme
このWH-1000XM4の目玉の1つでもあるのが、高音質化技術であるDSEE HXの進化版であるDSEE Extremeが搭載されていることです。
DSEEは5年前くらいから出てきたソニー独自の技術で、ハイレゾ対応のBluetoothコーデックであるLDACとともにDSEE HXに進化し、今回DSEE Extremeになったものです。
主旨としては非ハイレゾ音源の圧縮過程で失われた低音域や高音域を復元し、ハイレゾ級の音質にするというものです。
一応、ON/OFF切り替えられるので試してみましたが、わずかに高音のシャープさが増すかなー?という感じはありました。
が、静かな自室でようやく分かる程度なので、通勤中など外音影響が強いところではほとんどわからないでしょうね。
でもなんだか気持ちいい気がする。多分そんな機能です。
使用感はいかが?
音質的にはクラス相応の感じでした。では使用感はどうでしょうか。
(もちろん、前提として1万円以下のものとは音質が段違いによいです)
ちなみに、機能的に大差ないと言われるWH-1000XM3を選ぶのか、このWH-1000XM4を選ぶのかはこの使用感をどう考えるかというところにかかっていると思います。
買ってしまったあとではありますが、この使用感を考えるとWH-1000XM4で大正解だったなと思います。
意外と気にならない装着感
まずは装着感ですが、非常にいい感じです。
イヤーパッドも硬すぎず柔らかすぎず、それなりに長時間の仕様にも堪えると思います。
引用:WH-1000XM4 レビュー 待望の2台同時ペアリングに対応!デスクワークにぴったりなワイヤレスヘッドホン(リブウェル!)
見た目にはわからないところですが、微妙なイヤーパッド改善で側頭部との接地面積を増やして装着の負担をさらに軽減しているらしいです。
あと全然そんなつもりはありませんでしたが、耳をすっぽり覆ってくれるので、冬のこの寒い時期には防寒具としての効果も大きいです。
(つまり夏は...という気も...🤮)
重さとしては約250gですが、まぁ許容範囲だと思います。
歩いていたりするとさすがに若干のズレを感じるので、いいポイントを探したりしますね。
安定感のあるBluetooth接続
こいつのペアリング先は手持ちのスマホにしていますが、昔はよくあった接続が不安定で何度も電源ON/OFFや再ペアリングを試したり、ということも皆無です。非常に快適ですね。
こいつの前に使っていたやつだと、街中の混線が強い場所では音声が乱れたりもしたんですが、こいつになってから一切それもなくなりました。Bluetoothプロファイルのおかげなのか知りませんが、地味に嬉しい改善でしたね。
また、地味な違いとしてWH-1000XM4になって、Bluetoothコーデックのうち「apt-X」「apt-X HD」が省かれています。
まぁ、サードパーティコーデックなのでライセンス料かかるのと、世間的にはiPhoneならAAC、AndroidでもそれなりにLDACが浸透してきたので不要になったということでしょう。
あまり気にしたことはなかったですが、LDAC対応機種ってこんなに増えてたんですね。
LDAC発表時は「またソニーさんが独自規格を初めてしまった...」と思いましたが、iPhone/iPod系以外ではウォークマンで市場を握っていたのがよかったですね。ソニー厨としては感涙の涙を流さざるを得ません😭
結構便利な装着検出
WH-1000XM4からの新機能として、イヤーパッド内部にセンサーを内蔵し、装着中かどうかを検出する機能がつきました。
これで何がいいかというと、何かのときにヘッドホンを外したとき、それを検知して音楽の再生を自動的に止めてくれます。
買い物でレジのときだけ外しておくとかする際に、再生を止めてから外し、再び装着してから再生するなんて手間がなくて済むので、これは思った以上に便利ですね。
安心のロングバッテリー
1週間ほど使っていて地味に嬉しかったのはこのロングバッテリーですね。
こいつはノイズキャンセリングとか付加機能を全ONしている状態で、約20時間の再生が可能だそうです。1日4時間聴いていても1週間もつくらい。全OFFだと30時間だとか。
このバッテリー持ちは1000Xシリーズでもダントツで、
- WH-1000XM4:20-30時間 (オーバーヘッド型)
- WI-1000XM2:7-10時間 (ネックバンド型)
- WF-1000XM3:6-8時間 (完全独立型)
というように3-4倍ほどの違いがあります。
実際、これまで使っていたのがネックバンド型だったのですが、バッテリーのヘタリもあって体感で4時間程度しか持っておらず、充電忘れで音楽が聞けなくなることもしばしば...。
ただ、こいつなら丸々1週間充電を忘れてやっとバッテリー切れになるレベルなので、ほとんどその心配がなくなりました。これは本当に素晴らしい...。
総合的に見てどう?
そんなこんなで、一通りの機能を味わってみましたが、これは非常にいいものです。
最後の決断はいささか衝動的ではありましたが、1000Xシリーズの誕生からずっと注目してきていたものだったので、特に考え不足で失敗したという感覚もなく、大満足で使えています。
M2か?それともM3、あるいはM4か?
事前にもこの話はあったのですが、性能のよく似た前世代があった中で、実際にM4を買ってみてどうだったかという話ですね。
基本的に、世代を経るごとに改善され続けているので、新しいほどよいというのは間違いないです。唯一、Bluetoothコーデックでapt-X系がM4でなくなったことくらい。
基本的な音質やノイズキャンセリング性能はもちろん、装着感や操作性に関しても改善がなされており、価格差に見合うものが得られると思いました。
基本的な完成度としてはM2よりもM3(+3000円)でしょうし、かゆいところに手が届くという意味でもう一息がんばってM4(+5000円)というのが無難な感覚だと思います。どれを買っても安い買い物ではないので、ここは思い切ってM4がいいんじゃないかなと思います。
オーバーヘッド型か、ネックバンド型か、はたまた完全独立型か
このノイズキャンセリングをウリにした1000Xシリーズとしては、ほぼ同等の機能をもった3タイプが存在します。
耳への接し方としてオーバーヘッド型かカナル型かってところが大きく違う以外では、どれも最新型として遜色ないクオリティなので自分のリスニングシーンをイメージしながら、好みで選ぶといいでしょう。
ただ、このオーバーヘッド型は夏場に暑そうなので、もしかすると夏場はネックバンド型に回帰するかも知れません...。
全体的には聞こえ方が自然なことと、バッテリーの持ちが全然違うので、オーバーヘッド型のこいつでよかったなぁという気がしています。
この観点ではこのサイトがよくまとまっていました。やはり利用シーンをどう捉えるかというところですね。
さいごに
WH-1000XM4はいいぞ🥺
前編に比べれば別人かと思うくらい真面目な記事になりました。真面目何かを考えるとやはりこうなります...🤔
次は脳みそのとろけたような記事を書きたいですがはたして...。
ではまた。
お読みいただきありがとうございました!
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