たくなくの雑記帳

思ったことを書き留める雑記帳

進め!ど根性ビル!(進まない)

少し時間が空きましたがこんにちは。ノージャンル雑記のお時間です。

本日のテーマは「ど根性ビル」でございます。

ではいってみましょう、チェケラ。

 ど根性ビル?

さて、当然のように「ど根性ビル」などと言っていますが、皆さんど根性ビルはご存知でしょうか。

ど根性ガエルなら知ってる」なんて声が聞こえてきそうですが、残念ながら関連は一切ありません。

どちらかといえば、関連があるのはこちらです。ど根性大根

こちらはまだ知っている人も多いと思いますが、アスファルトの隙間から力強く、たくましく生えていることで話題になった大根です。
(当然今はいませんが、忽然と姿を消したのでどういう末路をたどったのか謎のままです...。)

 

さて、そんな「力強く、たくましく」というところにど根性らしさが現れているところですが、ど根性ビルも同じような側面があります。

そう、力強く、たくましい、そんなビルがど根性ビルです。

 

ど根性ビルの例

実際にどういうものをど根性ビルと呼ぶか、実例で見たほうが早いのでどうぞ。

 

 

 わかってきましたね。どうでしょう、感じませんか?ど根性。

典型的など根性としては、大きなビルを凹型にしてしまうような強い精神です。

実際どうだったはオーナーとデベロッパーでしかわからないものの、まぁ大きさの差を資本力の差だと思えば、変な形のビルにするより「あそこも買って四角くしようぜ」ってなるのが自然な発想だと思うので、地上げを退けたど根性を想像するに難くないところです。

私のイチオシど根性ビル

さて、こうしたど根性ビル、東京みたいな土地の価値が高い地域であれば、意外と見つかります。

先日奥さんと買い物でうろうろしているときに、ど根性ビルを見つけてその精神を教えたところ、その日だけで3件ほど見つかったので「こんなにあるんだ!」って奥さんが感激してました。そうなのよ。

 

というところで、私のイチオシど根性ビルは、東京都港区虎ノ門にある蕎麦屋「砂場」です。

f:id:valuask7:20210207135855p:plain

引用:ja.wikipedia.org

なんの変哲もない、いや歴史を感じさせるこの趣ある佇まい。
Wikipediaによれば、この建物が1923年の建築で、1994年と2011年に改修はしているものの、もうすぐ築100年に達するたいへんに歴史のある存在です。

 

で、Wikipediaのこの写真、少し古くてですね。今どうなっているかというと...。

 

どどーん。

http://soba-sake.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2014/02/02/dsc00513.jpg

こうなっています。背後にWeWorkが入居する高層ビル。

 

改めて地図でみると、どうあっても隠しきれないど根性が滲み出ています。

もうこの公式のサムネがたまらないですね。
ビルの全景を引で写そうと思うとこの向きから撮らざるを得ず、そしてこの向きだとど根性がありありと写ってしまう。

これがアーバンビルディングとオールドSOBAYA奇跡のコラボレーション。

 

むしろこのサムネを使って蕎麦屋サイドが「続く、次の100年へ」とかいうマンションポエムみたいなものを炸裂させてもいいレベル。
あ、マンションポエムはこれまた面白いのでまたそのうち書くことにします。

迫りくるど根性の危機、そして輝くウルトラど根性

この蕎麦屋、砂場がど根性ビルとして注目されたのはやはりこの背後のビル建設が始まったタイミングでした。

その当時のことを書いた記事はいくつか見つかります。

もうすでにタイトルからしてど根性が出ていますね。2013年です。

ど根性の輝きを記録した貴重な記事ですが、普通に蕎麦屋としてのレポートもあるのでお店そのものを知るのにも有益な記事です。
僕も近くに行ったときいただきましたが、入りづらさはないものの、気品のあるいい蕎麦でした。

 

さて、この2013年付近のことからど根性ビルとして名を馳せるわけですが、2020年になってもう一段の進展がありました。ウルトラど根性です。

結論から言います。移転するんです。

 

数メートル後方に。

 

え?わからないって?ではもう少し説明します。
この砂場の前には、「愛宕下通り」という道が通っていますが、最近この虎ノ門地区の再開発が進んでいることもあり、都市計画として拡幅の計画がありました。

なので、隣に新しく建った「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」なんかは今の道路よりもずいぶん後ろに下がって建っているように見えます。

 

おそらくは、この拡幅にあたってもそもそも立ち退きの提案もあったことと思いますが、やはりそこはど根性、立ち退きではなく「建物ごと少し退がる」という選択をしたようです。

とはいえ、このこと自体は2013年よりさらに昔からあった話のようで、先ほどの記事でも、

バブル期になり、業者からビルへの建て替えを提案された。六代目店主の稲垣隆俊さん(51)は大学生のとき、先代の父から「どうしたらいいか」と相談された。「古い建物のままやっていきたい」と、後継者としての意思を伝えた。変化のスピードが速く、古い景色がどんどん消えていく東京の街は何かおかしいと思っていた。開発の計画が持ち上がるたび、断り続けた。

というバブル期の話からはじまり、

二〇〇七年、大掛かりな耐震工事をした。店の前を走る都道愛宕下通り」の拡幅が計画されていたために、曳家することに備えて基礎部分の補強も図った。一一年の東日本大震災の大きな揺れにも耐え、国の登録有形文化財となった。 

道路が広がる分の四メートル弱を一年ほどかけてバックさせる。八月末に一度閉店、九月上旬に徒歩数分の場所に設けた仮店舗での営業を始めた。店の公式サイトで説明しているが、稲垣さんによると「やめたのか」などという問い合わせは数十件に上っている。コロナ禍で相次ぐ老舗の閉店騒動が影響しているという。

と、2011年の工事時点ですでに見通されていたことが書かれています。

 

僕自身、ここで蕎麦を食べた時はど根性ビルの意識もなかったので、「こんな都会のど真ん中にあって、レトロなお店だなー」としか思っていませんでした。
しかし、その後ひょんなことからど根性ビルのことを知り、そしてその文脈にこの砂場があることを知り、築100年にも達するこの建物を守り続けた店主の意思を感じました。

 

今現在は少し離れたところで仮店舗営業をしているようですが、営業再開したらぜひまた行ってみたいですね。

 

ど根性ビルに興味を持たれたら

さて、この記事を読んで初めてど根性ビルを知ったアナタ、そうアナタ。

どうでしょう、ど根性ビルが気になってきませんか?

 

東京はもちろん大阪名古屋など、立地争いの激しい大都市圏であれば意外と見つかると思いますのでぜひ皆さんもど根性ビルを探しながら街中を散歩してみてください。

このひたむきな姿が、その変わらない佇まいが、いつかアナタの心を癒やしてくれるかもしれません...✨(光の中に消えていく)

 

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