なぜか防災ラジオを調べたくなった人
あぁ、防災ラジオ、防災ラジオを調べたい、比較したい...!
そんな気持ちになったことはないでしょうか。今の私です。
それではいってみましょう。
これまでのオススメ
これまでこのブログでも、防災ラジオをオススメしたことが何度かあります。
オススメしてたのはソニーのこちら。
FM/AMラジオとしての機能はもちろんのこと、手回し充電やライトにも使えて全体的にこのサイズ感に収まっていることが気に入っていました。
定期企画である家電・ガジェット誌ナナメ読みでも多機能ラジオ・防災ラジオを取り上げたことがありますが、その度にこっちのがいいねと言及していました。
しかしながら、このソニーのICF-B09は発売が2015年11月なので、さすがにもう古いのではという気持ちが拭えません。
そういうこともあって、2023年の今改めて防災ラジオのリサーチを行い、今なおオススメし続けられる製品なのか今一度確認したいと思い立って書き始めた次第です。
防災ラジオに求めるもの
商品リサーチを始める前に、防災ラジオに求めたい機能や特徴を改めてチェックしてみます。
必須機能
まずは必須と思われる機能です。このあたりはないと困る。
ラジオ機能
まずは当然ですがラジオ機能です。災害時の情報収集を想定しているわけなのでAMが必須です。ただ、AMオンリーは逆にもう珍しいくらいなので、基本的にはAM/FM/ワイドFMが標準装備になっていると思います。
稀にワイドFM非対応があるので、そこだけ注意ですね。ちなみにワイドFMの概要はこちら。
手回し充電機能
災害ラジオとしての活躍を期待する場合、動かすための電源は重要です。
もちろん、災害リュックを準備する際に乾電池やモバイルバッテリーを入れておこうという話ではあるのですが、万一自然放電で電池が使えなくなっているケースも考えられるので、やはり手回し充電があったほうが心強いです。
なお、大体の機種は手回し電力の外部出力に対応しており、スマホ充電などができるようになってはいますが、発電力は微々たるものなので実用性はほとんどない(1分回して1分待ち受けできるレベル)と言えるでしょう。
ライト機能
あとはライト機能です。暗いところを歩かなければならない場合のスポットライトとして、あるいはラジオを聴いている際の卓上ライトとしてなど、ついていると嬉しい機能と言えます。
災害ラジオの本命機能はもちろんラジオなので余計な電力を使うものはなくて良い気もしますが、前述の手回し機能と相性がいい(手回し1分で15分照らせる)ので、オールインワン的についていてもいい機能だと思います。
オプション機能
次に、「こういうのあってもいいかもなー」というオプション機能です。
テレビ機能
防災ラジオとともに、防災テレビというカテゴリの製品もあります。
確かにラジオよりもテレビのほうが情報収集に優れるという点はありますが、消費電力が段違いなのでラジオに比べると実用性は格段に落ちると言わざるを得ません。
昨今のテクノロジーで実用性が上がっていれば...とほんの少しだけ期待します。
ソーラー充電機能
先ほど手回し充電機能を紹介しましたが、小型のソーラーパネルを搭載したモデルもあります。
手回しと違って自分の体力を消費しないわけですからいいじゃんと思わなくもないですが、災害ラジオについているソーラーパネルは小型であるため、「晴天下の1時間充電して30分ラジオが使えます」みたいな感じにしかならず、実用的なイメージが持ちづらいのが難点です。
モバイルバッテリー機能
手回し充電と相性が良さそうに思えるのがこのモバイルバッテリー機能です。
よくあるのが5000mAhくらいのモバイルバッテリーを内蔵したモデルで、ラジオやライトの利用はもちろん、スマホなどへの充電にも使えるものです。
ただ、モバイルバッテリーの内蔵によってそもそものサイズが大きくなってしまうことと、ラジオと一体になっていることでかえって使いづらい面も出たりするので、一長一短なところがあります。
オススメ防災ラジオ調査
それではここから具体的な防災ラジオを色々調べていきたいと思います。雑多に調べていっても比較しづらいので、以下のフォーマットで共通できるところは共通させて示すようにします。
以下、記載例です。
比較観点 | スペック/評価 | コメント |
サイズ | 100mm×80mm×50mm | |
重さ | 400g | 乾電池含む |
電源 | 乾電池(単3)/充電池 | |
利用時間 | 100時間(AM)/70時間(FM) | 乾電池利用時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | ○ | USB Type-A出力可 |
ライト | ○ | スポット/卓上利用可 |
テレビ | ○ | |
ソーラー充電 | ○ | |
モバイルバッテリー | ○ | 5000mAh |
SONY ICF-B09
それではまずオススメしているソニーのこいつから。
サイズ | 132mm×77mm×58mm | |
重さ | 376g | 乾電池含む |
電源 | 乾電池(単3)/充電池 | |
利用時間 | 100時間(AM)/80時間(FM) | 乾電池・スピーカー利用時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | ○(USB Type-A出力可) | 手回し1分でAMラジオ75分 |
ライト | ○ | スポット/卓上利用可 |
テレビ | × | |
ソーラー充電 | × | |
モバイルバッテリー | × | 内蔵充電池は本体利用のみ |
今回はこのあたりがベンチ―マークになるわけですね。
SONY ICF-B300
色違いの同じやんけと言いたくなる見た目ですが、一応こちらは2021年発売の上位モデルです。元々ICF-B09に対してICF-B99っていう上位モデルがいたんですが、2021年にこちらだけモデルチェンジしました。
サイズ | 132mm×80mm×58mm | |
重さ | 395g | 乾電池含む |
電源 | 乾電池(単3)/充電池 | |
利用時間 | 90時間(AM)/77時間(FM) | 乾電池利用時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | ○(USB Type-A出力可) | 1分でAMラジオ61分 |
ライト | ○ | スポット利用可 |
テレビ | × | |
ソーラー充電 | ○ | 1時間でAMラジオ49分 |
モバイルバッテリー | × | 内蔵充電池は本体利用のみ |
主だったスペックはほぼ同じですが、機能的には卓上ライトが省かれてソーラーパネルになっているのが特徴です。
とはいえ、全体的に見てみるとICF-B09より全体的にスペックダウンしている感じなので、あまり上位モデル感なく、旧モデルの時代からICF-B09を推し続けていた感じでした。
アイリスオーヤマ JTL-29
続いてアイリスオーヤマ。約5000円なのでソニーの約半額ですね。
サイズ | 146mm×78mm×62mm | |
重さ | 300g | |
電源 | 充電池 | |
利用時間 | 25時間 | 満充電時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | ○(USB Type-A出力可) | 1分でAMラジオ7分 |
ライト | ○ | スポット利用可 |
テレビ | × | |
ソーラー充電 | ○ | 1時間でAMラジオ15分 |
モバイルバッテリー | ○ | 2850mAh |
こちらは電源が充電池オンリーで、2850mAhのモバイルバッテリーにも使えるようになっています。
先ほどのソニーに比べると手回し充電の効率が非常に悪いように思いますね。というか、ラジオの消費電力が大きいってことなんでしょうか。
全体300gに収まっているのはいいなと思いましたが、手回し充電効率に難ありといった印象。
山善 YTM-R100
ジェネリック家電メーカーということで山善も見てみましょう。こちらも約5000円くらい。
サイズ | 130mm×76mm×40mm | |
重さ | 270g | 乾電池含む |
電源 | 乾電池(単3)/充電池 | |
利用時間 | 160時間(AM)/120時間(FM) | 乾電池利用時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | ○(USB Type-A出力可) | 1分でAMラジオ30分 |
ライト | ○ | スポット利用可 |
テレビ | × | |
ソーラー充電 | × | |
モバイルバッテリー | × | 内蔵充電池は本体利用のみ |
控えめではありますが必要十分な機能といった感じですね。
手回し充電の性能って、各社「1分間に○回転の場合」っていう前提付きで記載してあるんですが、ソニーは120回/分、アイリスオーヤマは130回/分に対して山善は150回/分でした。中々ハード。
山善 YTM-RTV200
続いて山善の手回しテレビ。
サイズ | 143mm×85mm×40mm | |
重さ | 300g | 乾電池含まず |
電源 | 乾電池(単3)/充電池 | |
利用時間 | 48時間(AM)/45時間(FM) | 乾電池利用時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | ○(USB Type-A出力可) | 1分でAMラジオ6分 |
ライト | ○ | スポット利用可 |
テレビ | ○ | |
ソーラー充電 | × | |
モバイルバッテリー | × | 内蔵充電池は本体利用のみ |
見た感じ充電池は内蔵しているものの、調べても容量が出てきませんした。
毎分150回で回すと10分で満充電になるそうなので、かなり容量としては少ないのかもしれません。
一応売り文句としては「10年ほったらかしでも充電できる長期保管型手回し充電テレビラジオ」ということなので、大容量というよりは長寿命なほうに振り切ってるみたいですね。
あとこれは2.8インチモデルですが、姉妹品で4.3インチモデルもあるようです。
サイズ感の違い以外はほとんど似たようなスペックでした。やはりテレビは5分しか見られない模様。
山善 YTM-R300
またしても山善ですが、ランタンスタイルの防災ラジオがありました。面白い。
サイズ | 189mm×100mm×100mm | |
重さ | 1000g | 乾電池含まず |
電源 | 乾電池(単3/単4)/充電池 | |
利用時間 | 90時間(AM)/90時間(FM) | 単3乾電池利用時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | ○(USB Type-A出力可) | 1分でAMラジオ9分 |
ライト | ○ | 卓上利用可 |
テレビ | × | |
ソーラー充電 | ○ | 1時間でAMラジオ18分 |
モバイルバッテリー | × | 内蔵充電池は本体利用のみ |
なかなか興味深い仕様でした。思いがけずソーラーパネルがついていることに加え、ちゃんと手回しやUSB出力までついています。単3と単4を混ぜて使えるのも中々防災っぽいです。
唯一の難点は1kgという圧倒的な重さですが、まあとりあえず家に保管しておくのはありかもしれません。
防災防犯ダイレクト T020
なんとなく防災っぽい感じが伝わるラジオ。
サイズ | 160mm×76mm×58mm | |
重さ | 350g | 乾電池含まず |
電源 | 乾電池(単4)/充電池 | |
利用時間 | 22時間 | 満充電時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | ○(USB Type-A/C出力可) | 1分でAMラジオ4.5分 |
ライト | ○ | スポット/卓上利用可 |
テレビ | × | |
ソーラー充電 | ○ | 1時間でAMラジオ54分 |
モバイルバッテリー | ○ | 5000mAh |
結構色々できる分、それなりにデカさがある防災ラジオです。
手回し1分でラジオ4.5分はなかなか渋い。
dretec PR-321
体温計とか作ってる印象のあるドリテック。
サイズ | 165mm×65mm×58mm | |
重さ | 235g | 乾電池含まず |
電源 | 乾電池(単4)/充電池 | |
利用時間 | 15時間 | 充電池利用時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | ○(USB Type-A出力可) | 1分でAMラジオ3分 |
ライト | ○ | スポット利用可 |
テレビ | × | |
ソーラー充電 | × | |
モバイルバッテリー | ○ | 900mAh |
全体的にスリムに収まっている気がします。
本体にニッケル水素充電池を内蔵しているようで、それが合計900mAhの容量があるようです。5000mAhを内蔵しているやつがあると思うと少し心もとない。
ちなみに毎分120回で回して300分で満充電になるようです。毎分3mAhですね。
dretec PR-401
同じくドリテックから手回しテレビラジオ。
サイズ | 158mm×90mm×40mm | |
重さ | 315g | 乾電池含まず |
電源 | 乾電池(単3)/充電池 | |
利用時間 | 26時間(ラジオ)/6時間(テレビ) | 充電池利用時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | ○(USB Type-A出力可) | 1分でAMラジオ2分 |
ライト | ○ | スポット利用可 |
テレビ | ○ | |
ソーラー充電 | × | |
モバイルバッテリー | ○ | 2000mAh |
こちらは480分で満充電になるそうです。8時間充電して6時間テレビを見るというなかなかエクストリームな戦い。山善は10分充電5分視聴だったので、それよりは充電効率がいいのかも。
しかし、その割にラジオの利用可能時間がさすがに短いような...。
マキタ MR052
安心と信頼のマキタさん。なんか頑丈そうなラジオも出してました。
サイズ | 169mm×74mm×73mm | |
重さ | 363g | 充電池含まず |
電源 | 充電池 | |
利用時間 | 約11時間(BL1015)/約30時間(BL1040B) | 充電池利用時 |
ラジオ | ○ | AM/FM/ワイドFM対応 |
手回し充電 | × | |
ライト | × | |
テレビ | × | |
ソーラー充電 | × | |
モバイルバッテリー | × |
屈強そうではあったものの、基本的には普通のラジオでした。手回し充電などもないので、防災用途としてはだめそうですね。
総評
ここまで色々なラジオを見てきましたが、
- 大体どの製品もラジオ(AM/ワイドFM)とライト、手回し充電機能がある
- 利用時間は製品によって大きく開きあり(20時間~100時間くらいの幅)
- 手回し1分あたりの効率はソニーがダントツ
ということがわかりました。
差として顕著なのはやはり最後のところで、元々のベンチマークとしていたソニーが手回し1分あたりAMラジオ75分までいけるのに対し、次点の山善がようやく30分に届くだけで、あとは10分未満のものばかりでした。
どういうテクノロジー差でこんなに差がつくのかはよくわかっていませんが、防災というカテゴリを考えると、この観点はやはり一番大きいように思います。
というわけで、色々比較した結果としては、前評判と変わらずこちらのソニーICF-B09イチオシなのは変わらず、
コスパの観点でちょっと手が出ないようであれば、次点でこちらの山善ということになりそうです。
個人的に調べて発見だなと思ったのが山善のランタンタイプでした。あとこれも5000円くらいで思ったより安いし。
皆さんもぜひ個人的イチオシの防災ラジオを見つけてみてください。
お読みいただきありがとうございました!
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